2005/09/23

Vibe其の四

Jackson vibe自主イベント『Vibe』も其の四を迎えた。
ちなみに其の一は対バンにスネオヘアーとHermann H&The Pacemakers。
其の二はDr.StrangeLove、東京60WATTS
其の三はかまボイラーとSPARKS GO GO。
彼等が『一緒にやりたい』と思ったバンドと一緒にやるイベント。
だから、誰が楽しんでるって、そりゃメンバーが一番楽しんでるんだろう。


tobaccojuice、メレンゲと本当にいいライブを見せてくれた。
メレンゲ、PAのバランス悪くてボーカル聴こえ辛かったのが勿体無かったな。
ちなみに個人的には今回のライブの対バンは
『MCが異次元』で選んでるんじゃないかと思ってしまった。
グローバーさんのMCはだだすべり。そしてこの二組のMCは異次元。
みんな面白過ぎです。


若干転換に時間がかかってる気がする。
まだかなあ、と思いながらSEを聴いていたら
いつもどおり『I Want You Back』が流れ出して、メンバー登場。
出てきていきなり『シャラララ』。
今回は自主イベントだしやっぱり彼等のファンは多いわけで。
待ってました!とばかりにいきなり客席は沸点に。
ギターを置いて、イントロもなく始まったのは『GETTAWAY』。
夏フェスやここ最近のイベントではやっていなかったはず。
��メロ、大サビ前は爆発直前みたいに凄く丁寧に唄う。
ひとつの曲の中でちゃんと波をつけて演ってるのが凄くいいなあと
腕を振りながら聴き入って、そしてMC。
タバコジュースの物まねをして笑いをとり、ベースの弦が切れたことをカムアウト。

「恋人のいない秋を迎えに行きましょう!」

と、「Hey Love!」のコール&レスポンスで始まった『夜と風と』。
ああ、この曲は秋が似合う。
モッシュやダイブとは無縁の曲調だが、何故か盛り上がる。
ふわり、と身体が浮くようなそんな爽やかな風が吹き抜けるようだ。
モッシュやダイブだけが盛り上がる音楽なわけがない。
それを体現したこの曲の次は『Mr.&Ms.Starlight』。
この曲の大サビ前の「この時を」のグローバーさんの
伸びる声が凄く好きで、聴くたびに鳥肌が立つ。
ここでまたMC。

「今日は懐かしい曲もやりますよー。」
「タバコジュースのアコギかっこよかったから便乗。」

なんて言って流れ出したのは『カミサマオネガイ』。
この曲を初めて聴いた時の衝撃は、ライブで初めて聴いた今回と同じ。
まったりまったり独特の日本語で曲は進む。
ベースもドラムもゆったりとリズムを刻み、ギターも
焦らず一音一音丁寧に奏でられる。
まるで高校生の時のような青い恋のうたは優しい日本語の唄。
数年前まで英詩でシャウトしてた人と同一人物だとは思えない。
あたたかい声で、きれいな日本語を歌うグローバーさんは
本当に稀代のボーカリストだと思う。
次の曲のイントロが流れて、完成があちこちから上がった。
『GOD OF MUSIC』だ。
彼等お得意の疾走感溢れるメロディーに、声が乗る。
捨て曲無いシングルのカップリングのこの曲は
照れ臭くなるくらいに素直な歓びの唄。
音楽が好きなんてそんな当たり前のことをためらいもなく
叫ぶ事ができるからこそ生まれる曲。
皆にあったかい気持ちを振りまいたところで、ずっこけイントロを3回。
こういう小ネタを散りばめられるのは、自主イベント故の
リラックス感と、本当に彼等がライブを楽しんでいるからこそのもの。
始まった『さよならヒーロー』は前日夜中のオールナイトニッポンで
散々聴いたにも関わらずとても新鮮に私に響いた。
��人の笑顔がPVの笑顔に重なる。
三度目に聴くドラムソロはやっぱりおなかにキた。
今回は雑誌でメンバーが仰ってた通り手拍子があがった。皆笑顔で手を叩いた。
彼等に煽られた客が、彼等を煽る。
なんて客との距離が近いライブなんだろう。
そして、またあのフレーズが流れる。
これ以上熱が上がったらどうなるんだろう、なんて考えることもできず

「グルーヴを頂きたい!」

というグローバーの声に皆の手が上がる。
カウントを叫んでイントロが流れた瞬間に歓声が上がった。
雑念全て吹っ飛ばされる勢いで唄が響く。
畳み掛けるように『ワンダ』、そして懐かしの『風』。
『ワンダ』は発売3日後のCDのカップリングとは思えないほど
観客が大喜びで、しかも皆歌詞を覚えてる!
カウントも「大家の家からカイコが逃げる!」も皆で大合唱。
ライブでの爆発ナンバーがまたひとつ。
佐藤さんの指弾きベースも堪能した。
やべえ、本当に速い。上手い。
勢いつけすぎてドラム共々滑るんじゃないかってくらいなのに
やっぱりリズム隊はがっしり安定してて、演りきってしまった。
根っこがしっかりしてるバンドはほんとに強いなんてしみじみ思う間もなく『風』。
『風』、初めて聴いたときからライブでずっと聴きたかった。
SKASKAやSTEREO LYNCHをなんとなく思い出す攻撃的な曲。
だけど、この曲が出てから2年たってるからかな。
��Dで聴いた時に感じた『投げつけ感』が薄れて
激しい曲なのに凄く丁寧な印象を受けた。
攻撃的なナンバーだからって決して雑ではない。
��年の間の変化。勿論それはいい方で。
暴れきった!ってくらい暴れて本編終了。

アンコールの声に、グローバーさん曰く
「これ被るだけで林家ペーになれる」
ショッキングピンクの帽子を被って登場。

「今までカバーってしたこと無いんだけど、折角だからと思って。」
と、カバーをやる事を決めてやってみたら

「楽しくって楽しくってほぼ完コピしちゃったんだよねえ。」

そう言って、メンバーを顔を見合わせて笑う。
どんだけこの人たちが音楽好きかなんてわからない。
だけど、それを素直に出せるからこのバンドはとても強くて
そして私はこのバンドを大好きだと思う。

「グラッチェグラッチェ」
の一言に反応しなかった多くの女の子を見てジェネレーションギャップを
感じて若干凹みつつ、アンコールが静かに始まる。
清志郎さんのやってた『タイマーズ』と言うバンドの曲。
��元はモンキーズと言う洋バンド)
『Day Dream Believer』はかつてスーパーカップのCMで流れてたから
誰もが聴き覚えがあるだろう。
清志郎さんとは違うグローバーさんの声で紡がれる『Day Dream Believer』は
私の涙腺を物凄い勢いで刺激した。
優しくて凄く切ない唄なんだ、これ。
それを本当に柔らかく唄うから、もう泣くのを我慢できなかった。
ベースもドラムもギターも凄くあったかくて、泣けた。
ビンテージものって佐藤さんが言ってたベース、本当にあったかい音がする。
最後のワンフレーズが終わって。
余韻に浸るように会場がしん、と静まり返った。
そして始まったのは『おやすみ』のバンドバージョン。
橋谷さんのギターとグローバーのボーカルだけのこの曲が
バンドバージョンだとどう生まれ変わるんだろうと楽しみにしていたら
なんとなくハワイアン入ったギターフレーズが印象的な優しい優しい曲になった。
夜、帰り道に口ずさみたくなるような歌。
優しい優しい子守唄で終わりを迎えたイベントは
いつまでもアンコールの声が鳴り止まなかった。

彼等が好きでやってるイベントを、
彼等のことが好きな人たちが心から楽しんでる。
幸せの連鎖、なんて言葉が帰り道にふと浮かんだ。



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