素直なものに弱い。
映画でも漫画でも小説でもそして、音楽でも。
過去のエントリで私が風味堂を好きなのは『素直』だからだと書いた記憶がある。
なんのてらいも計算もなく、いいと思う音をそのまま吐き出すからPOPなのだと。
ひねりのない音は面白みがないだろうか。
ギターレスバンドはパンチ力が足りないだろうか。
そんなことはない。
この3ピースの破壊力はRIJFの『もどかしさが奏でるブルース』で証明されている。
あの時会場にいた風味堂を知らない人たちは皆圧倒されていたはずだ。
アルバム聴いてた私がぶっとんだくらいだし。
話を戻す。
彼等はとても真っ直ぐで、素直で、だからこそ強い。
物凄くストレートな歌詞を、ストレートな音に乗せるから少しも歪まずに真っ直ぐに響く。
新曲『ママのピアノ』もそうだ。
優しい詩が、優しいピアノが、刺激的な音に溢れてるこの世界で、すとんと胸に響く。
TVから流れてきた音に、一瞬自分の動作が止まった。
画面を見ると『ママのピアノ』のPVで、私はその曲が終わるまでの間
作業を全てストップしてTVに釘付けになっていた。
『ナキムシのうた』を聴いた時と同じだった。あの唄も物凄くストレートで素直で力強い。
好きなものを好きと素直に言える強さを持つバンドというのは得てして音が真っ直ぐで力強い。
RIJFで観た風味堂の荒削りなライブパフォーマンスは、完成度と言う点で見ればまだまだだったと思う。
だけどそれでも彼等のライブを評価する人は少なくなかったし、
また彼等のライブに足を運ぼうと思わせてくれる魅力があった。
そして、次の作品も楽しみだなあと思える可能性とか希望の光とかが存在してた。
だからこそ、今回もまた素直な音と言葉を堂々と放ってくれたことに素直に感動した。
来月のライブは、2月のフリーライブより、8月のRIJFより、いいモノに違いない。
未完成ゆえのよさと言うものが彼等にはちゃんと存在していて、そして
堂々と好きなものをやってのける強さが、『スタンダード』をいつか生むんだと期待している。
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