2007/09/13

秦基博@渋谷クアトロ

仕事でどうしても間に合わなくて、着いたら「僕らをつなぐもの」が始まった。

クアトロは満員で、無理やり一番後ろに入り込んで。

私の後から来た人たちは皆入れなくて、ドアを開けっ放しにした。

そんな満員のクアトロだから、ちびの私はステージなんて少しも観えなくて、

文字通り「聴く」ことしかできなかったけど、だけどそれでも何度も泣きそうになったし

鳥肌が立つ瞬間があったし、ほんとに、聴覚だけで心を揺さぶられて。

途中入場でもステージが観えなくても、チケット代もったいないなんてこれっぽっちも思わなかった。



力強い音だった。声だった。

高知で初めて聴いたときより、スペシャ列伝より、LIVE SUPER NOVAの時より。

ずっとずっと力強くて、「歌い手」になった秦くんがそこにいた。

彼の音楽以外何も必要ないライブだった。


サポメンが固定しないからなのか、バンド編成の曲はどれも少し固い感じがした。

BPM速いのはライブ仕様なんだと思うけど、曲の持ってる柔らかさがなくなってたかな。

好みの問題だと思うけど、個人的にはもう少し柔らかい方が好きかな。

ツアーはサポメン固定してくるだろうから相当よくなってるはずで楽しみ。



なんでこんなに秦くんの音楽が好きなのか、なんとなく今日のライブでわかった気がした。

同じ年だから、同じ時間を生きてるから、とてもリアルに響くのもあるんだけど。

ノーリグやフラカンとは違う生々しさなんだよね。

フラカンは自分の中からいいものも嫌なものも全てを引きずり出してくれる。

ノーリグは心臓を鷲掴みにされて心が逸る。

秦くんは、心に纏ってる文字通り「鱗」を全て剥ぎ取って、

とてもシンプルで柔らかくてあたたかい、やさしいものが自分の中にいることを教えてくれる。


大人になるにつれて纏うようになった鱗はとてもとげとげしていて、

自分自身を傷つけることさえあるけれど、それを全部剥がしたら、

いつまでも変わらないシンプルで優しいものがちゃんとそこにあった。


平凡な日常はどれも特別で、とても淡々としていて、だけどそれがとても大切だってことを思い出す。

誰もが日々を大切に生きてるのに、それに気づかなくて大切にしてない風になってて。

だけど皆本質の部分でちゃんとわかってるんだって、そういうもんなんだって、

そんな風に思えて、すごくあたたかくなって、幸せになれる。


誰かに抱きしめられて泣きそうになったとか

下北で頭撫でられても涙が止まらなかったこととか

幼い失恋とか

そういうことを不意に思い出して胸が痛くなったけど、だけどとても優しくて。


なんつーか、日常を愛しく思えるんだよ。秦くんの音楽が傍らにあると。

出会えてよかった。あの日の高知は特別だったけど、

そこで出会った彼の音楽は私の日常でとても自然に鳴ってる。



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